海に問う

( 2014 )

 水面に浮かぶ泡に目を奪われ、泡を生じさせる海をなぜ見ない。

どこからか来た風が海を撫で、人間の船が海を引き裂いていく。

いつしか、私は夜の海に身を投げるイメージを繰り返していた。

そうこうしている内に、また新しい陸に着き、新しい人に出会い、あるはずのモノでケンカする。

 

 しかし、地球をぐるりと1周してもそれは無かった。

太平洋もインド洋も地中海も日本海もそれを隔てる境界は無かった。

日本人もインド人もスペイン人もアメリカ人もアフリカ人も同じ人間でない証拠は無かった。

 

 海は何事もない様に穏やかなまま、波だけが水面で踊っていた。